【其の六十二】チコちゃん

昔、ある政党組織の委員会の話を聞く機会があった。一通り聞いたあと、質疑応答の時間が取られた。 私はこう質問したのを覚えている。 「NHKはチコちゃんのようなバラエティをすべて廃止すべきではないですか?バラエティは民放に任せて、報道に徹するべきで…

バイト馴染めるかチャレンジ③

飲食業を辞めた私はガソリンスタンドで勤務することとなった。 というより、すでに勤務を行なっている。 冬に似つかわしくない暑さに、精神を疲弊しながら、私は新境地へ達したのだ。 飲食業よさらば! 新天地で何ヶ月進むのか、私よ。 一言だけ自戒しておき…

バイト馴染めるかチャレンジ②

木曜日、金曜日、土曜日、日曜日、仕事を終えた私の心は、もはや嫌悪に傾くしかなかった。 月曜、火曜、水曜の貴重な休日。しかし、私の心は満たされない。腹を寄生虫がつつく。 私の心は木曜日、要するに次のバイトに、この三日間囚われていた。 もう限界だ…

バイト馴染めるかチャレンジ①

現在、私は人生初飲食店でのバイトを始めて3日目を終えた。 馴染めないのは仕事先のせいかと毎回考えていたが、行く先行く先で、常に馴染めないのはもしかして自分が人を引き寄せない何かを持っているのではないかと考えたくなる。 そんななか優しそうな先輩…

【其の六十一】都合のいい正義

ゴミ屋敷と化している現在の我が家でぽつんと1人考えた。 悪を生み出すのは、環境であると。 悪になりたくて悪になったものなどごく僅かなもので、悪に染まるほかなかったものが多勢なのではないだろうか。 貧困、孤立した人間関係、社会の虚空、これらが積…

【其の六十】求めてたもの

一人暮らしを始めてから、精神状態は下降線を辿る一方である。 バイト先では馴染めないまま辞めることになったし、凡庸な食事には不快感を覚えるし、洗面台は公衆トイレ並み、部屋は狭くて汚い。 でも、これが私の求めていたものであるのかもしれない。自分…

【其の五十九】判断基準

自分を理解しようとするときに、外部組織に判断基準を委ねてしまう傾向がある。 バイト先での評価を自分の価値に転換してしまったり。 しかし、これには問題があるのではないか。 共同体によって価値観というのは異なるのだから。 共同体の価値観に寄せると…

【其の五十八】機械化

バイト先、私は機械と化す。 動く機械、人間である必要はない。 コストパフォーマンスがいいだけ。 協調性を持たない私は、透明人間である。 一匹狼ではない。もはや一つの機械である。 自分がバイト先を辞めても、雨が降り、雷が落ちれば、みんなは私を忘れ…

【其の五十七】底の見えない恐怖

精神を安定することは難しいことなのだと、この歳になって気づいた。 今日は牛丼屋に行ったのだが、 牛丼の並を初めて残した。味噌汁も残した。 頑張って食べようとしたが、手が震え、床に米粒を落としてしまった。 残飯がバレぬよう食器を返却した。「ごち…

【其の五十六】虫の境界線

家に現れる虫はどこまでが許容範囲か。 歳をとるにつれて範囲が狭まっている。 昨日、バッタが家に現れた。 昔であれば、喜んでバッタを捕まえにいったのだが、今の私にはそのような余裕がない。 一応、家から逃してやろうと思ったが、 思わぬ跳躍力に腰が引…

【其の五十五】金の難しさ

節約を心がけている私。 たとえば、カレーレトルトは100円、150円、200円と価格帯が分かれているのだが、 私は100円のを中心に買うようにしている。 100円のは水っぽさが強く、 まぁ食べれるが美味しいとは言い難い。 逆に200円のを一度だけ食べた時は、 カ…

【其の五十四】一安心できない自己暗示

心を休めるために大丈夫、大丈夫、と 自らに言い聞かせようとするが、 それで一安心できないのが私だ。 大丈夫ではないと、自己暗示に縛られている。 おしり!おしり!おしり!おしり!おしり! (一安心と自己暗示で韻を踏みたかっただけ)

【其の五十三】まさかの

階段を昇ると、黒い塊が端で体を縮小させ、今にも爆発して飛びかかりそうな雰囲気を漂わせている。 ごっきーか? ちがった、これは珍しい。 すごいな多摩地方。

【其の五十二】ジャニーズ

ジャニーズアイドルの冠番組をよく見かける。 一人暮らしするようになってから、ふと誰かの声が聞きたくなり、テレビをつけるとよく知らないジャニーズアイドルの番組が放送されている。 ファンくらいしか見ないであろう、薄い企画。 ジャニーズアイドルの1…

【其の五十一】ゼロ

最近は一人暮らしにまあまあ慣れ、生活リズムが軌道に乗ってきたのだが、それにより、余計に人間としての感情を失ったような気がする。 風呂を抜いたりしていた頃は、風呂に入らないことで身体を鳥肌が駆け巡るというとても味わい深い経験ができ、新鮮さを感…

【其の五十】感性と理性

夜は窓を開けて、網戸一枚にしている。 すると、虫が飛来してきて網戸に張りつく。 ただ、張りつくだけ。 何もしない。意図がよくわからない。 今日はてんとう虫が張りついている。 張りつくこと自体が目的なのかもしれない。 少し羨ましく思う。 私は行為そ…

【其の四十九】来園者

今日も我が家は、私の生態を見学に訪れる来園者たちで賑わいを見せる。 ガラス越しに遠目で見てくるものがいる。恐らく蛾だ。 網戸に張りつくキューティクルなお客さんも。恐らくカメムシだ。 おいおいおい、中に入るのは違反ですよ。凶暴な私に捕まえられて…

【其の四十八】今日の自炊

加熱用マグロを買ってきました。 早速、料理に取りかかります。 といっても簡単。 袋に入れて、めんつゆと生姜を混ぜ合わせる。 冷蔵庫で2、3時間漬けるよ。 これを油を引いたフライパンで、蓋をして焼くだけ。 完成。 うめえ。 こんなにマグロが変貌すると…

【其の四十七】さびれた自販機あるある

飲み物が濁っているような気がしてならない。 いや、実際には濁ってないし、気のせいではあるんだろうけど、なんかラベルとかも劣化しているような気がしてならない。 飲み終わった後、腹を壊してしまう。 実際には、身体からくる腹痛というより、飲み物に疑…

【其の四十六】櫻井翔くん

櫻井翔くんってすごいな。 名門大学出身でニュースキャスター抜擢。 ダンスも軽快にこなせるスポーツセンス。 心を震わせる歌声。 バラエティ番組では軽快なジョーク。 ドラマでは役になりきる演技力。 本当にすごいと思う。 俺が勝ってるところなんて、性格…

【其の四十五】とある就活生との邂逅

一年生の夏、自己啓発本を読み漁り、できる大人になることを目標としていた私は、某新聞社の1dayインターンシップを訪れた。 照明まばゆい会場の雰囲気に気圧されながらも、講演者の話を興味深く拝聴していた。 なんとしても、この会社に入りたい。 そのよう…

【其の四十四】酔うて酔う

酒を飲むときはさまざまな理由があるのだが、その一つに、すでに精神的に酔っているから、身体的な酔いを求めるということがある。 別に飲みたくもないのだけれど、精神のみが高揚し、歪曲し、宙に舞っているときには飲まねばならないのだ。 それにより、平…

【其の四十三】傍観者

外で大雨が降っている。 現在、私は自室の中だ。 自分が雨粒を喰らうのはたまったものではないが、自分が害を被ることなく、ただ雨が暴れる姿を見ているのは愉快だ。 雷の音すらも、私を興奮させる。 私はそういう人間なのだ。 自分が巻き込まれるのはたまっ…

【其の四十ニ】ゴキブリ

バナナの皮や納豆のゴミが散乱している家に帰り、一息つこうと思うとき、何やら黒い影が動くのが見えた。 ゴミにしては自我を持った動きであったな、私以外に意思を持つ者はこの部屋にいないはずなのに、と思いつつ覗くとゴキブリ。 最初はじっと見つめてい…

【其の四十一】気づき

大切なことを忘れていた。 人生は楽しいか楽しくないかではない。 いかに楽しんでいくかなのだ! この状況にただ悲観してもむなしさが身体を蝕むだけである。 悲しい、ならばどうする? どうすることで楽しくなる? 考えることを私は放棄し、自分に酔ってし…

【其の四十】固定観念の凌駕

私はもはや一日という概念に縛られない。 一日一回に風呂に入るというのは誰が決めたのだ! 一日三食というのは誰が決めたのだ! 私を規定するのは私のみだということを忘れていたようだ。 眠いときに寝てやらあ。 授業など受けたいときのみ受けるのみ。 バ…

【其の三十九】[定期]腹痛

昼飯で、 コンビニの担々麺食って、スープ全飲みして、 国の御母さんからもらったブドウ大量に食って、ポテチ食ったら腹壊した。 夜ご飯どうしよう。 ああ痛みというのは身体の危機を信号として発信しているために生じるというものの、それ自体が私を苦しめ…

【其の三十八】座右の銘

不肖ながら私、座右の銘というものを 掲げさせていただき候。 よろしいでございますか。 御気持ちに感謝しまする。 では、 私の座右の銘、 それはずばり、 「おちんちん」です。 いただきますおちんちん! ごちそうさまおちんちん! おちんぽちんぽ!ぽんち…

【其の三十七】自分との同居

自分とは一つではなく、 様々な現象を介してそこから抽出される、 様々な自分が存在する。 一人暮らしは、他の人間がおらず、 常に身体は一人であるので、逆に、 精神上様々な自分が存在することを認識しやすい。 一人暮らしとは様々な自分との同居であるの…

【其の三十六】脱水、脱力

水分補給はかったるい。 ただ今の時期に怠ると、急に呼吸が苦しくなることがある。 体から力が抜け、脳みそのみで、 私はあああああああああああああお茶を飲む。 狂ってしまう。 この脱力感は身体からくるものか、 精神からくるものか。