【其の二十一】シャットダウン

子供はかくれんぼで見つかったときに、自分の目を瞑ることで、見つかったという現実から目を背けることがあるらしい。

 

私も一人暮らしを始めてからその気持ちに共感するようになった。

 

これを書いている今の私の状況は洗い物していない、米炊いていない、冷蔵庫に何も入っていない、風呂入っていない、歯磨きしていない、布団敷いていない、就活準備していない、彼女できる気しないなど。

あげればキリがない。

 

目を瞑りたい現実である。

 

しかし私のような大人は目を瞑るだけでは満足できない。大人なので。

 

私はソファに横になった。

 

私のような大人はもはや寝るのだ。

目を瞑るだけでは足らない。

脳も瞑るのだ。

 

なにやら冷蔵庫から異音が聞こえる。

 

うるせぇ知るかばーか!おやすみ!