【其の四十九】来園者

今日も我が家は、私の生態を見学に訪れる来園者たちで賑わいを見せる。

 

ガラス越しに遠目で見てくるものがいる。恐らく蛾だ。

網戸に張りつくキューティクルなお客さんも。恐らくカメムシだ。

おいおいおい、中に入るのは違反ですよ。凶暴な私に捕まえられてしまいますよ。あらら握りつぶされた。蚊であった。

 

人間園は今日も盛況。

私の一挙手一投足をみなが注視している。

 

私は尻を叩いて、自分自身を鼓舞した。

ベェチィィン!

 

蚊が舞う、今日は訪れて良かったと。

蛾が興奮を隠しきれない素振りで羽を広げた。

カメムシは満足げに去っていった、これを見れたら悔いはないと。

 

そろそろ夏本番。

沢山の虫を街で見かけますね。

嫌悪感をもたずに、見逃してやってはくれませんか。

もしかしたら、彼らもベェチィィン!を求め、私のほうに向かっているだけかもしれないから。