【其の四十三】傍観者

外で大雨が降っている。

現在、私は自室の中だ。

 

自分が雨粒を喰らうのはたまったものではないが、自分が害を被ることなく、ただ雨が暴れる姿を見ているのは愉快だ。

雷の音すらも、私を興奮させる。

 

私はそういう人間なのだ。

自分が巻き込まれるのはたまったものではないが、何か騒ぎを見ているのは楽しい。

 

だがこんな私は、大雨の後の、七色の虹もガラス越しにしか覗けないのだ。