【其の三十五】一所懸命

今ソファに寝転んで、服の袖をめくって、 自分の脇の匂いはどこが一番甘美かなと、 一所懸命顔を寄せていた。 そこには純粋無垢な愉快さがあった。 本能が呼応しているのだ。 長たる自粛生活により、 社会性を失った私は動物と化した。

【其の三十四】うるさい静寂

最近は部屋にいるとき、 基本テレビをつけておらず、静寂が私を包む。 すると、ふと、私は静寂であることに意識を巡らせる。 巡らせてしまうのだ。 私の身体から急な冷汗が止まらなくなる。 私は急いで窓を開け、テレビをつけた。 賑やかなバラエティ番組の…

【其の三十三】[閲覧注意]多摩あるある

多摩あるある 洗濯物を干そうとベランダに出る。 すると窓に何か挟まっているのを発見。 プラスチックのゴミが風で飛んできたのかなと取り除こうとする。 手に宿るのは生温い感触。 いざ引っこ抜いてみると、出てきたのがこれ。 現れたのはトカゲの死体。 干…

【其三十二】夜ご飯

今日の夜ご飯は自分で作ったろう思うて、 ドラッグストアで焼きそば買うてきた。 うまか〜。

【其の三十一】縛り

パンは俺の腹に合わない。 何度も腹を壊している。 よって、 新型コロナウィルスのワクチンを打つまで私はパンを食べないことをここに誓います。 追記 一度食すごとに一万円募金。

【其の三十】

風呂を焚いた。 風呂が溜まっている状態が気にくわず詮を抜いた。

【其の二十九】懺悔

女子社会であるバイト先は正直、身が狭い。 だが、生きるためにはそこで働くほかない。 コロナ禍でバイトが限られている。 働けるだけ感謝だ。 同時に思うのは、男子社会で孤立する女子もこのくらい辛かったのかなと。 いやもしかしたら、パワーバランス的に…

【其の二十八】初フライパン

ようようやくフライパンを使って、 料理をすることに成功した。 初心者の私におあつらえな料理、 ずばり目玉焼きです。 それがこちら。 なんとも歪な形。 黄身が悪いし、気味が悪いが、 それでも私が産んだ大切な目玉焼き。 どんなに形が整った目玉焼きにも…

【其の二十七】[定期]腹痛

腹壊した原因が思い当たらない、、、 朝飯 ごはん1合、納豆、 バナナ、フレグラ 昼飯 食パン6枚に蜂蜜 夜飯 卵カレー2合(途中リタイア)、 くそまず野菜ジュース 腹痛に特化した人類の歴史とか知りたい。 植物はいいよなぁ、身体における苦しみがないから。

【其の二十六】雨降るの!???

なぁ雨は降るのか?! 現在18時。 朝目覚めたとき、スマホの天気予報に14時から雨降ると警告されていた。 なので洗濯を断念したのだが、雨降らねーじゃねーか。 と思ったら19時からは雨降るって予報されているよ。 本当だな。 次は信じていいんだな? 今日は…

【其の二十五】うおおおおおお

まず時を遡ること昨日の夜11時。 バイトを終え、帰宅した私。 風呂に入って落ち着こうとした矢先、 バイト先の制服のポケットに何やら塊が。 なんだ?と思い取り出したら、 バイト先のシャッターの鍵がそこには入っていた。 閉店作業をした後、戻さずに持っ…

【其の二十四】実感すること

飯を炊き、食し、皿を洗い、干し、 洗濯をし、干す。 ベランダで風になびかれながら感じるのは、 生きるために生きていいのだなと。 生の目的とは案外単純であるのかもしれない。

【其の二十三】働き方改革

ここ最近できていなかった洗濯を今日こそはやる。 そう意気込んだ私は洗濯機の中に溜まりに溜まった洗濯物を無理やり押し込み、洗剤を入れ、スタートボタンを押した。 十五分後、洗濯機が自我を持ったのかと疑うくらい暴れ出した。 なんとか癇癪は収まったが…

【其の二十二】虚像と実像

テレビの画が煩わしくなり、 音に鬱陶しさを感じ、私はテレビを消す。 暗いテレビに映し出されるのは私。 どの番組の画よりも見ていられる。 食器の音が予想を超えて鳴る。 どのSEにも勝る聞き心地。

【其の二十一】シャットダウン

子供はかくれんぼで見つかったときに、自分の目を瞑ることで、見つかったという現実から目を背けることがあるらしい。 私も一人暮らしを始めてからその気持ちに共感するようになった。 これを書いている今の私の状況は洗い物していない、米炊いていない、冷…

【其の二十】腐るということ

豆腐とは豆が腐っていることを、一番舌で感じることを可能とする食べ物だ。 納豆はまだいい。腐っているが、そこから這いあがろうとする気概がある。 豆腐はだめだ。すっかり諦めているし、今の地位に満足してしまっている。向上心の無い愚劣極まりない食べ…

【其の十九】ムンク「叫び」

【其の十八】精神の瓦解

窓を覗くと青空が私を包み込もうとするが、 北向きの部屋なので寒い。 「である」ようで「でない」のだ。 時計の針が私の心臓が脈打つタイミングで、コツコツコツコツ鳴り響く。 風呂の換気扇が私の吐息が出入りするタイミングで、ゴウゴウゴウゴウ喚いてい…

【其の十七】謎の踊り

実家にいた頃は、コロナ禍の運動不足解消のために毎日ラジオ体操第一・第二を朝夜に取り組んでいた。 しかし、一人暮らしをするようになってからはバイトのシフト数も増え、買い物の回数も増えたので運動不足は解消されるように。 ラジオ体操の必要性もない…

【其の十六】血肉湧く

現在一人暮らしをする私にとって最大の問題点がフライパンの使い方がわからないということだ。 調べればわかるのだろうが、わかったところでよし調理しようとはならないと思う。 そもそも包丁で何かを捌いたこともまだない。 そう、自炊によるサラダや肉を私…

【其の十五】ゴミわたあめ

ベランダの排水溝を掃除するのだが、 まあ汚い。 割り箸で懸命にほじくると、多種多様なゴミが絡まること絡まること。 その姿はまるでわたあめのよう。 幼稚園児時代の夏祭りが頭の中に浮かんだ。 思い出も絡まっていた。

【其の十四】風呂ガチャ

引っ越したばかりのときは二、三日に一回入れば構わないと考えていた風呂であったが、最近は毎日のように入っている。 そこで一つ困ったことがある。 風呂の温度が全くもって予想できないことだ。 実家の風呂は温度を設定すると、自動的にお湯が出力されてい…

【其の十三】寝坊

一人暮らしを始めてついに初寝坊達成。 枕元 うるせえぽちっ スマホ消す 時計の針が ほくそ笑む我を 今日の一句。

【其の十ニ】栄養素レンジャー

栄養というのはただがむしゃらに栄養がありそうなのを食えばいいというわけではないらしい。 赤、緑、白、黄、黒の五色の食材を取る必要があるらしいのだ。 赤色食材の肉など全然食べていなかった。 どうりで卵、納豆、もやしといった栄養素の高い食品ばかり…

【其の十一】嫌悪感の正体

寂しさを埋めるためにショッピングチャンネルを点けていた俺。 低俗な番組のため、脳が情報として認識しないはずであった。 だが、私は異変に襲われる。 一人暮らしの疲れかわからないが、脳がショッピングチャンネルの情報をスキャンしているのだ。 うわあ…

【其の十】24hマスク

家が汚く、普通に生活しているだけで喉を痛めてしまう。 なので私は家でもマスクを着用する。 目の前にかさばるゴミのせいだとはわかっているのだが、ゴミというのは捨ててもまた新たに現れるので捨てる意味がない。 外にはウイルスに花粉。 内にはゴミ。 詰…

【其の九】食事とは

食事とは何なのだ。 栄養を摂取さえすればよいのか? 食事を楽しいと思えない。 ただ栄養が足りるか不安がるのみ。 いっそのこと、栄養価の高い朝昼夜3食の作り方を覚え、それを毎日食べようかと思うがどうなのだろう。 流しに溜まる洗い物を見て見ぬふりを…

【其の八】コバエコイコイ

先ほどからコバエが俺のまわりをうろちょろしている。 少し先には食い終えたバナナの皮が机に放置してあるのだが、そちらには興味を示さない。 どうやら、俺は生ゴミ以上にコバエを惹きつけてしまう男のようだ。 ったく、誰かコバエを惹きつけたい人がいたら…

【其の七】小学生に微笑む俺

テレビニュースで小学生の入学式の様子が映っていた。 あんなに小さいのに学校行けるのかな? 横断歩道はちゃんと渡れるのかな? 急に道路から飛び出ししたら駄目だよ。 緑のおじさんの気持ちがわかったような気がした。 俺もそっち側の人間になっちまったん…

【其の六】ショッピングチャンネルと俺

一人暮らしをすると寂しくて仕方ない。 静寂は苦手だ。 なので、テレビを常に点けている。 だが、情報を脳に入れたくないときがどうしてもある。 そんなときはショッピングチャンネルに合わせるのだ。 低俗な番組なので、脳が情報として受け取らずに済む。 …